なぜ私は会社でも家庭でも人を叱れないのか?
会社で小さなミスをした部下、経験の少ない新人、一緒に働く同僚。 こうした人と関わる中で、私たちは相手に適切なフィードバックを伝えることが求められます。
しかし、「怒りたくない」「関係を悪化させたくない」という気持ちから、叱ることをためらう人は多いのではないでしょうか?
なぜ「叱ること」がこんなにも難しいのでしょうか。
その背景には、私たち自身の「叱られた経験」や「人間関係への不安」が関係していることがあります。
たとえば、子どもの頃に感情的に怒られた経験が強く残っていると、「自分が誰かを叱る=相手を傷つける」と無意識に結びつけてしまうことがあります。また、相手との関係が壊れることへの恐れが、言葉を選びすぎる原因にもなります。
その一方で、叱らないままでいると、問題が繰り返され、周囲に負担が広がってしまうことも事実です。信頼関係を保ちながらも、必要なことは伝える。これは決して矛盾ではなく、伝え方を工夫すれば両立できるのです。
その方法の一つとして、「相手を責める言葉」ではなく、「事実と期待を伝える言葉」を使うことで、相手の防衛心を下げ、前向きな対話が生まれます。
叱ることに苦手意識を持つのは、ごく自然なことです。大切なのは、「伝えなければ」という使命感ではなく、「伝えたほうが、きっと相手のためになる」という思いやりを持つこと。そう考えるだけで、言葉の選び方や表情にも変化が生まれてきます。
叱らないことのリスク
<私の失敗談>
学校で、学生がチームで発表をする機会がありました。しかし、ある学生が自分の分担を期限までに仕上げられず、最終的にチーム全体がそのフォローをして発表を完成させました。先生として、この学生の遅れがチームに与えた影響を指摘しようとしましたが、「厳しく言うとパワハラと受け取られるかもしれない」と考え、結局直接的に指摘することができませんでした。その結果、その学生は自分の行動を振り返る機会を失い、チームメンバーの不満も蓄積してしまいました。
このように、部下や学生の成長機会が失われたり、職場や教室の雰囲気が悪化したりすることもあります。
●問題行動が繰り返され、改善されない
●リーダーとしての信頼を失う
●叱られないことで相手が成長のチャンスを逃してしまう
「叱ること」は決して悪いことではなく、相手の成長を促すために必要な行動です。
では、どうすれば効果的に叱ることができるのでしょうか?
次回は「叱る技術」について詳しく解説します!
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