親から受け継いだ家、どうする?実家の処分と活用法
第1回 実家の処分を考える前に知っておきたいこと|空き家のリスクとタイミング

親から相続した実家を前にして、次のような悩みを抱えていませんか?
空き家にはしたくないけれど、何から手を付けてどうすべきか迷っている方も多いと思います。

  • 「思い出が詰まっているから売りたくないけれど、維持費がかかる」
  • 「貸すことも考えたが、管理が難しそう」
  • 「空き家のまま放置するのは不安…」

実家は単なる不動産ではなく、家族の記憶が詰まった特別な場所です。しかし、そのまま何もせずに放置して空き家にしておくことで、様々なリスクが発生します。この記事では、実家の処分や活用を考える前に知っておきたい基礎知識と、空き家を放置するリスクについて解説します。

空き家を放置する3つのリスク

1. 維持費と管理負担の増大

実家を誰も使わずに所有し続けると、以下のような費用が発生し続けます。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険や地震保険などの保険料
  • 草刈りや清掃などの管理コスト

さらに、老朽化が進むと修繕費も必要になります。特に築年数の古い住宅は、雨漏りや配管トラブルなどで思わぬ出費がかさむことも。

2. 空き家による地域トラブル

誰も住んでいない住宅は、以下のようなトラブルの原因にもなります。

  • 不法侵入や放火などの犯罪リスク
  • 景観の悪化による近隣からの苦情
  • 害虫や動物の住処になりやすい

これらの問題を放置すると、近隣住民との関係悪化や行政からの指導を受けることもあります。

3. 売却や活用のチャンスを逃す

放置して建物の状態が悪化すると、不動産としての価値が下がり、売却が困難になります。また、適切な時期を逃すことで市場価格が下がり、資産としての価値が目減りしてしまう恐れも。

空き家対策特別措置法とは?

空き家の増加が社会問題となっている現在、国は「空き家対策特別措置法」を施行し、一定の基準に該当する空き家に対して行政が介入できる仕組みを整えました。

この法律に基づき、"特定空き家"と判断された物件には、

  • 修繕や撤去の勧告・命令
  • 固定資産税の優遇措置の解除(6倍になる場合も)

などの措置が取られる可能性があります。

詳細は国土交通省の公式ページをご確認ください。

実家の処分を考えるタイミングは?

空き家のリスクを避けるためにも、早めの判断が必要です。以下のようなタイミングが、一つの目安になります。

相続した直後

  • 相続税の納付期限(10カ月)に間に合うよう準備が必要
  • 共有名義の場合、家族間で早めの話し合いが望ましい

管理の負担が大きくなってきたとき

  • 雑草が伸びて近隣からの苦情が出た
  • 修繕費が高く、金銭的な負担が大きい

ライフスタイルの変化

  • 遠方に引っ越し、通うのが困難になった
  • 親族の中に住む予定の人がいない

まとめ

実家は思い出の詰まった大切な場所ですが、放置することによるリスクは想像以上に大きいものです。法的・経済的な負担を避けるためにも、実家の処分や活用方法について早めに検討を始めることが重要です。

次回のブログでは、「実家を売却する場合の流れと注意点」について詳しくご紹介します。

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miwa
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