高校生が履歴書を書く様子と、新卒就職の志望動機の書き方・文字数の目安を紹介するイメージ

高校生の新卒就職|志望動機の書き方―小さな欄に何を書く?

高校生の新卒就職では、大学生などの就職活動とは違い、「全国高等学校統一応募用紙」という決められた履歴書を使います。そして、この履歴書の様式が変わったことをご存じでしょうか。

令和7年度から様式が改訂され、これまでの「志望の動機」という欄は、**「志望の動機・アピールポイント等」**という欄に変わりました。性別欄や趣味・特技欄がなくなるなど、ほかにも変更があります。

厚生労働省「公正な採用選考の基本・全国高等学校統一用紙」

全国高等学校統一応募用紙(履歴書)PDF

これから志望動機を書く高校生は、新しい履歴書を一度実際に見てみてください。

高校生の志望動機は、小さな欄に何を書く?

実際の履歴書を見ると、「志望の動機・アピールポイント等」の欄は、それほど大きくありません。

ここに「なぜこの会社を選んだのか」「なぜこの仕事をしたいのか」「自分の長所は何か」「高校生活で頑張ったこと」と、全部を書こうとすると、どうしても詰め込みすぎてしまいます。

高校生の志望動機で大切なのは、たくさん書くことではありません。**採用する人に、自分の何を覚えてもらいたいか。**まず、そこを考えてみましょう。

高校生の志望動機は何文字?目安は150〜200文字

「何を書けばいいかは分かったけれど、実際には何文字くらい書けばいいの?」

ここで迷う人も多いでしょう。

全国高等学校統一応募用紙には、志望動機について「○文字以内」という決まりはありません。

ただ、実際の「志望の動機・アピールポイント等」の欄の大きさと読みやすさを考えると、150〜200文字程度を一つの目安にすると書きやすいでしょう。

大切なのは、欄を文字でびっしり埋めることではありません。採用担当者が無理なく読める字の大きさで、伝えたいことが整理されていることの方が大切です。

1文は30〜50文字程度を目安に

一つの文が長くなりすぎると、「何を一番伝えたいのか」が分かりにくくなります。

目安としては、1文30〜50文字程度。一つの文には、一つの内容を入れるくらいに考えてみましょう。

たとえば、

「私は人と接することが好きで、学校生活でも挨拶を大切にしてきたため、接客の仕事に興味を持ちました。」

これくらいで一度「。」を打ちます。そして、次の内容へ進みます。

4〜5文で組み立ててみよう

150〜200文字程度なら、4〜5文程度で組み立てると整理しやすくなります。

基本の型は、次のように考えてみましょう。

1文目:なぜこの仕事をしたいのか
仕事や職種に興味を持った理由を書く。

2文目:なぜこの会社なのか
職場見学や求人票などから感じたことを書く。

3文目:自分の経験や強み
高校生活で続けてきたことや、自分の特徴を書く。

4文目:その経験を仕事でどう生かしたいか
自分の強みと仕事をつなげる。

5文目:入社後の意欲
どのように仕事を覚え、成長していきたいかを書く。

必ず5文にする必要はありません。伝えたい内容によって4文でも構いませんし、「なぜこの会社なのか」を少し詳しく書く人がいてもよいでしょう。

高校生の志望動機の書き方|まず3つを考える

では、実際に何を書くのかを考えていきましょう。

「私は人と接することが好きなので、御社を志望しました。」

間違った文章ではありません。でも、これだけでは「なぜ人と接する仕事なの?」「同じような会社がある中で、なぜこの会社なの?」ということが、採用する側にはまだ見えてきません。

そこで、志望動機を書き始める前に、次の3つを考えてみます。

1.なぜ、この仕事なのか

人と話すことが好きだから。ものを作ることが好きだから。機械を扱うことに興味があるから。誰かを支える仕事がしたいから。

まずは、仕事そのものに興味を持った理由を考えてみましょう。

「昔から好きだった」という理由でも構いません。ただ、そこで終わらず、**「なぜ好きなのだろう?」**と、もう一度自分に聞いてみます。

そこに、自分らしい志望動機の材料が隠れていることがあります。

2.なぜ、この会社なのか

ここは、会社のホームページを読んだだけでは、なかなか書けません。

高校生の場合、求人票を読んだときに気になったことや、先生から聞いた話、応募前職場見学で実際に見たり聞いたりしたことが材料になります。

たとえば、「職場見学で社員の方が声を掛け合って仕事をしていた」「若い社員が先輩から仕事を教えてもらっている様子を見た」「説明してくださった社員の方の話が印象に残った」「自分が知っている商品を作っている会社だった」といったことです。

特に職場見学は、「なぜこの会社なのか」を見つける大切な機会です。ただ会社を見るだけではなく、**「自分がここで働くとしたら、どこが気になるだろう?」**という目線で見てみてください。

3.自分の何が、この仕事につながるのか

「自分にはアピールできることがない」と思う人もいるかもしれません。でも、特別な実績である必要はありません。

部活動を3年間続けた。遅刻をしないようにしてきた。アルバイトでお客様への挨拶を大切にしてきた。文化祭で裏方の仕事を担当した。委員会活動を続けた。資格取得のために勉強した。毎日休まず学校へ通った。

高校生活の中にも、志望動機やアピールポイントにつながる材料はたくさんあります。

大切なのは、「何をしたか」だけではなく、その経験から自分のどんなところを伝えたいのかを考えることです。

志望動機に3つ全部を書く必要はない

「仕事を選んだ理由」「会社を選んだ理由」「自分の経験や強み」の3つを、全部同じ量で書く必要はありません。

履歴書の欄には限りがあります。だからこそ、**「自分の場合、何を一番伝えたら、この会社に自分のことが伝わるだろう?」**と考えてください。

職場見学で「ここで働きたい」と強く思ったなら、その経験を中心に書く。高校生活で続けてきたことが仕事内容につながるなら、それを中心に書く。仕事そのものに強い興味を持ったきっかけがあるなら、それを書く。

全員が同じ順番、同じ内容で書く必要はありません。

限られた欄だからこそ、何を書くかを選ぶことが大切です。

高校生の志望動機|150〜200文字の例文

たとえば、接客職を希望する高校生が、

「人と接することが好きなので、接客の仕事をしたいと思い志望しました。」

と書いたとします。

これだけでは、ほかの会社にも使える志望動機になってしまいます。

そこで、職場見学で感じたことや、高校生活で大切にしてきたことを加えてみます。

【例文】

「私は人と接することが好きで、接客の仕事を希望しています。職場見学の際、社員の方がお客様だけでなく、社員同士でも明るく声を掛け合っている姿が印象に残りました。私も学校生活では挨拶を大切にしてきました。この経験を生かして周囲と協力しながら仕事を覚え、お客様に気持ちよく利用していただける接客ができるようになりたいと考え、志望しました。」

難しい言葉は使っていません。それでも、「仕事」「会社」「自分」「入社後」が見える文章になっています。

例文を4つに分解してみる

先ほどの例文が、何を伝えているのかを分解してみましょう。

1文目:なぜこの仕事なのか
「私は人と接することが好きで、接客の仕事を希望しています。」

2文目:なぜこの会社なのか
「職場見学の際、社員の方がお客様だけでなく、社員同士でも明るく声を掛け合っている姿が印象に残りました。」

3文目:自分の経験・強み
「私も学校生活では挨拶を大切にしてきました。」

4文目:仕事でどう生かすか+入社後の意欲
「この経験を生かして周囲と協力しながら仕事を覚え、お客様に気持ちよく利用していただける接客ができるようになりたいと考え、志望しました。」

こうして見ると、特別な経験や難しい表現を使わなくても、志望動機は作れることが分かります。

大切なのは、この例文をそのまま使うことではありません。

この「型」に、自分が実際に経験したことを入れていくことです。

最初から200文字を書こうとしない

最初から「200文字の志望動機を書こう」とすると、手が止まってしまうことがあります。

そんなときは、文章にする前に「仕事を選んだ理由」「会社を選んだ理由」「自分の経験・強み」「仕事で生かしたいこと」「入社後に頑張りたいこと」を、それぞれ一言ずつ書き出してみてください。

その中から必要なものを選び、4〜5文につなげます。最後に150〜200文字程度に整える。

この順番の方が、「200文字を埋める」ことが目的にならず、自分の伝えたいことを残しやすくなります。

志望動機は、面接にもつながっている

履歴書を書いて提出したら、それで終わりではありません。そこに書いたことは、面接で質問されることがあります。

だからこそ、インターネットで見つけた例文を少し変えただけの文章や、自分では普段使わないような言葉を並べることはおすすめしません。

書類では立派なことを書いているのに、「それはどういうことですか?」と聞かれた途端に答えられなくなってしまうことがあります。

反対に、自分が実際に見たこと、経験したこと、考えたことであれば、質問されても自分の言葉で話せます。

志望動機を書くことは、面接の準備でもあります。

生成AIで志望動機を書くなら、最初から書かせない

今は、生成AIに「高校生の志望動機を書いて」と入力すれば、すぐに整った文章が出てきます。

もちろん、文章を整理するために生成AIを使うこと自体が悪いわけではありません。ただ、最初から全部を書かせてしまうと、誰にでも当てはまる立派な志望動機になりがちです。

まず、自分で「職場見学で印象に残ったこと」「この仕事に興味を持った理由」「高校生活で続けてきたこと」「友達や先生からよく言われる自分の特徴」「入社したら頑張りたいこと」などを、文章にせず箇条書きにします。

そのうえで、**「この中から志望動機に使えるものを一緒に整理して」**と生成AIに相談する。

生成AIに「自分の代わりに考えてもらう」のではなく、自分で考えるための手伝いをしてもらう。

就職活動では、その違いを大切にしてほしいと思います。

書き終わったら、文字数よりここを確認

志望動機ができたら、文字数だけでなく内容も確認してみましょう。

字を小さくしすぎていないか。

一文が長くなりすぎていないか。

同じことを繰り返していないか。

ほかの会社にもそのまま出せる内容になっていないか。

面接で聞かれても、自分の言葉で説明できるか。

150〜200文字は、あくまで書きやすくするための目安です。

「何文字書いたか」より、「限られた欄で何が伝わったか」。

そこを最後の判断基準にしましょう。

2026年度の高校生の就職活動は、これから本番

令和9年3月卒業予定の高校生については、学校から企業への応募書類の提出が9月5日から始まり、企業による選考と採用内定は9月16日から始まります。

厚生労働省「中学校・高等学校卒業予定者の就職・採用活動時期について」

夏休みが終わる頃には、志望する企業を決め、応募書類を仕上げる時期に入ります。

まとめ|高校生の志望動機は「何を伝えるか」を決めよう

高校生の志望動機を書くときの一つの目安は、全体で150〜200文字程度、1文30〜50文字程度、4〜5文程度です。

ただし、これは「この文字数でなければいけない」という決まりではありません。

「志望動機が書けない」と手が止まったら、いきなり文章を書こうとせず、まずは**「なぜ、この仕事なのか」「なぜ、この会社なのか」「自分のどんな経験が、この仕事につながりそうなのか」**を書き出してみてください。

そして最後に考えてほしいのが、**「この小さな欄を読んだ人に、自分の何を覚えてもらいたいか?」**ということです。

小さな欄だからこそ、たくさん書く必要はありません。

何を書くかを選び、自分の言葉で伝える。

そこから、あなたの志望動機を作ってみてください。

投稿者プロフィール

秋吉美和
秋吉美和
有限会社オールバーグ代表。企業・学校で27年以上、延べ1万人以上の人材育成に携わる。「人生の判断に、納得を。」をテーマに、自分で考え、納得して判断するためのヒントを発信しています。