
暮らしの中の引っかかり~人との間で疲れる理由~
第4回 それ持ってる?
出かけるとき、私の荷物はいつも多めです。
絆創膏、ティッシュ、飴、充電器。ほかにも、使うかどうか分からないものを少しずつ入れていきます。念のため。困ったときのため。誰かが必要になるかもしれないからです。
一方で、妹は身軽です。
どこへ行くにも、お財布ポーチひとつ。なければ買えばいい。必要になったら、その時に考えればいい。昔からそういうタイプです。
私とは考え方が違うだけで、どちらが正しいという話ではありません。
そして、たいてい何かが必要になったときに聞かれます。
「それ、持ってる?」
私は、だいたい持っています。
最初は、それでいいと思っていました。持っている人が出せばいい。困っているなら貸せばいい。たいしたことではありません。
でも、何度も続くと少しだけ思うのです。
最初から、私が持っている前提になっていないだろうか。
頼まれやすい人ほど役割が集まる
荷物の話だけなら、笑って済むことです。
でも、仕事でも似たようなことがあります。分かる人に聞けばいい。できる人に頼めばいい。準備している人がいるなら、その人に任せればいい。
一つひとつは小さなことです。
「ちょっと聞いてもいいですか。」
「これ、見てもらえますか。」
「どうしたらいいと思いますか。」
そう聞かれると、私はその場で適当に答えることができません。
「調べますね。」
そう言って、本を開き、資料を読み返し、必要なら確認してから返事をします。
便利な人になっていないだろうか
頼まれること自体が嫌なわけではありません。
ただ、ときどき引っかかります。
これは本当に私が持つべき荷物なのだろうか。
それとも、持っている人が近くにいるから預けられているだけなのだろうか。
もちろん、相手に悪気はありません。
妹も、仕事で相談してくる人も、私を困らせようとしているわけではないでしょう。
「この人なら何とかしてくれる。」
そんな信頼の表れなのかもしれません。
でも、何とかしてしまうから、また集まってくる。
その繰り返しの中で、私はいつの間にか「持っている人」になっていたのかもしれません。
頼まれやすい人を卒業する工夫
最近は、少しだけ頼まれやすい人を卒業する工夫をするようになりました。
全部を引き受ける前に、一度立ち止まります。
これは今、私が持つことなのか。
それとも、相手が自分で持った方がいいことなのか。
仕事では、最初に短い時間で話を聞くようにしています。
すぐに答えを出すのではなく、まず状況を整理する。必要なことを一緒に確認する。その先は、その先で考える。
それだけでも、ずいぶん気持ちが楽になりました。
持っていることと、持ち続けること
私はたぶん、これからも荷物は少し多いと思います。
絆創膏も、飴も、充電器も、持っていくでしょう。困っている人がいれば、やっぱり貸すと思います。
でも、持っていることと、持ち続けることは少し違うのかもしれません。
誰かの役に立つことは嫌いではありません。
ただ、それがいつの間にか当たり前になると、自分でも気づかないうちに疲れてしまうことがあります。
最近は、相手が自分で持てる荷物まで、私が持たなくてもいいのかもしれない。
そんなことを考えるようになりました。
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