氷の上に盛り付けられた鯉の刺身を通して、思い込みを手放す大切さを表現したイメージ

暮らしの中の引っかかり ~人との間で疲れる理由~
第6回 食べてみないと、わからない。

先日、ある社長の誕生日のお祝いで、鯉料理のお店へ行きました。

会場は、その社長が昔から通っているお店です。お祝いのお酒と花束を持って、取引先の皆さんと四人で向かいました。

実は、その場にいた私以外の二人は、ずいぶん前から「鯉はちょっと苦手なんですよね」と話していました。メニューを見ると、鯉料理のほかに、うなぎ料理もあります。しかも、鯉御膳とうなぎランチは同じ値段でした。迷った二人

社長は一番高いランチを指さして、「私はこれにする。」と言いました。

私は、このお店に来たことがあります。鯉料理も食べたことがあり、おいしいことを知っていました。だから、一つ下の鯉御膳を見て、「私はこれにします。」と、すぐに決めました。

一方、二人はメニューを見たまま動きません。鯉にするか、うなぎにするか。しばらく迷ったあと、「じゃあ、同じものをお願いします。」と注文しました。

思い込みだったのかもしれない

料理が運ばれてきました。恐る恐る箸をつけた二人が、顔を見合わせて言いました。

「こんなにおいしい鯉、初めて食べた。」

苦手だと思っていたものが、おいしかった。その瞬間、私までうれしくなりました。帰り際には、社長が「今日は私が払います。」と、ごちそうしてくださいました。

食べてみないと、わからない

あの日のことを思い出すたびに感じます。苦手だと思っていたものでも、食べてみると好きになることがあります。会う前は苦手だと思っていた人が、話してみると印象が変わることもあります。

暮らしの中には、そんな出来事が意外とたくさんあります。思い込みだけで決めてしまうには、少しもったいないことが、暮らしの中にはまだまだあるのかもしれません。


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投稿者プロフィール

秋吉美和
秋吉美和
有限会社オールバーグ代表。企業・学校で27年以上、延べ1万人以上の人材育成に携わる。「人生の判断に、納得を。」をテーマに、自分で考え、納得して判断するためのヒントを発信しています。