親から受け継いだ家、どうする?実家の処分と活用法
第8回:実家を手放すときの心の整理
親から受け継いだ家をどうするか——それは単なる不動産の整理ではなく、人生の節目に立つような出来事です。
見慣れた風景、何気ない日常の記憶、家族のぬくもりが詰まった場所。だからこそ、「処分」と聞くと、心が追いつかず足が止まるのは当然のことです。
この記事では、手放した後に訪れる感情と向き合い、新しい一歩を踏み出すためのヒントを、静かに、しかし確かにお届けします。
1. 心の整理の仕方
実は、この記事を書いている私自身も、今、心の整理の真っただ中にいます。
昨年、子どもも配偶者もいなかった叔母が亡くなり、祖母から引き継がれた家の処分を任されました。
その家は、お正月やお盆になると親戚中が集まり、笑い声と温もりに包まれた思い出の場所です。
立派な庭のある銅で葺いた屋根のある平屋の一戸建て。大きな庭石が点在する日本庭園があります。
華道、書道、刺繍、洋裁と多彩な趣味を極めた叔母の作品たちも、今なおそのまま残されています。
家はしっかりしていますが、地方にあるため買い手がつきにくく、庭の撤去費用は解体費を超える見積もりに。
どうしたらいいのか決めきれず、この連載を書きながら自分自身の気持ちと向き合ってきました。
このように、思い出や事情が複雑に絡み合うと、実家の処分というのは単なる「決断」ではなく、「感情の整理」「記憶との対話」になっていきます。
決断できないまま時が流れていく。それは「甘え」でも「優柔不断」でもありません。実家とは、ただの建物ではなく、あなた自身の一部だからです。
「もう使わない家なんだから…」と頭では理解していても、心のどこかで「本当に手放していいのか」と立ち止まる。そんな気持ちに寄り添いながら、心を整えていくためのヒントをお届けします。
- 📸 写真や動画に残す:部屋や庭、棚に並ぶ思い出の品を丁寧に撮影して残しましょう。
- 📚 家族の歴史を文章にする:文章にまとめることで、記憶が整理され、自分の言葉で実家との関係を見つめ直せます。Kindle出版という形もあります(出版サポートはこちら)。
- 🪑 思い出の品を少し持ち帰る:「一部だけ」でも日常に取り入れることで、心が安心します。
- 🗣 家族と語る時間を持つ:実家にまつわる思い出を共有することで、感情がやわらぎます。
2. 実家を手放した後に感じる変化
覚悟を持って決断しても、手放したあとの心には「余白」が生まれます。その空白に、過去の記憶がふと忍び込み、予期せぬ寂しさや不安をもたらすことがあります。
▸ 心理的な変化
- 「もうあの家には戻れない」と気づいたときの喪失感
- 思い出を抱えたまま、新しい環境に順応していく日々
▸ 家族との関係の変化
- 「実家に集まる」文化が終わることで、つながり方が変わる
- オンライン通話や旅先での再会など、新たな絆の形が生まれる
▸ 経済的な変化
- 売却益や賃貸・民泊による収入が、新たな安心を支える
- 相続税や管理コストからの解放により、心の負担が軽くなる
3. 実家の処分後にできる新しいこと
空いたスペースに風が通り、心にもまた「新しい風」が吹き始めます。実家を手放した先に広がるのは、喪失ではなく「選択肢」。それは、新たな生き方を選び直すチャンスでもあります。
▸ 新しい住環境を整える
- 最小限のもので心地よく暮らす「シンプルライフ」へ
- 自分好みの空間を作り出す楽しさを再発見
▸ 人間関係・ライフスタイルの再構築
- 地域コミュニティに参加し、孤立しない暮らしへ
- 家族とは「距離」でなく「質」でつながる関係に
▸ 資産を未来に活かす
- バリアフリーリフォームやサービス付き住宅への転居
- 学び直し・資格取得・ボランティアなど「人生の再スタート」
- お孫さんの教育費支援や、民泊運営の活用も選択肢に
まとめ|心が整えば、未来はもっと自由になる
実家の処分とは、「過去を捨てる」ことではなく、「未来を選ぶ」こと。
思い出は、家そのものではなく、そこにあった時間とあなたの中に生きています。
- 家はなくなっても、記憶は消えない
- あなたの決断は、きっと誰かの未来につながる
- エンディングノートを活用して、自分の気持ちを文字にするのも一歩です
📘 このコラムは有限会社オールバーグ「親から受け継いだ家、どうする?実家の処分と活用法シリーズの最終回です。最終回までお読みいただきありがとうございました。
🌈 最後に|迷っているあなたへ
「誰かに背中を押してほしい」「否定せずに話を聞いてくれる人がほしい」——そんな想いを抱えている方へ。
有限会社オールバーグでは、感情に寄り添いながら、実家の活用や処分に関するあらゆるご相談をお受けしています。
あなたの人生が、より軽やかに、よりあなたらしく広がっていくことを、心から願っています。
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