親から受け継いだ家、どうする?実家の処分と活用法
第7回:実家の処分を決めた後の手続き
親から受け継いだ実家を売却・賃貸・民泊として活用すると決めたら、次に必要なのは「手続き」です。名義変更や契約、確定申告など、選んだ活用方法ごとに進めるべき手続きは異なります。スムーズに進めるためには、あらかじめ全体の流れを把握しておくことが大切です。今回は、処分方法ごとに必要な手続きと注意点をわかりやすく整理しました。トラブルなく次のステップに進むために、ぜひご確認ください。
1. 売却を決めた場合の手続き
実家を売却する場合、まず確認すべきは「登記」です。名義が自分に変わっていないと売却はできません。登記の確認とあわせて、不動産会社との契約、売買契約、引き渡し、そして譲渡所得の申告まで、スムーズに進めるための手続きがあります。事前に流れを押さえておきましょう。
✅ 必要な手続き
- 不動産会社に依頼するか、自分で入居者を見つけるか決める
- 登記の確認(名義変更が必要な場合あり)
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ
- 売買契約の締結と手付金の受領
- 所有権移転手続き・引き渡し
- 譲渡所得税の申告(翌年の確定申告)
※ 詳細: 法務局|不動産登記手続き
✅ 注意点
- 相続登記が済んでいない場合は、先に登記を完了させる
- 売却後の確定申告を忘れずに(譲渡所得税の計算が必要)
2. 賃貸を決めた場合の手続き
賃貸として活用する場合は、契約書の作成だけでなく、入居者の審査や家賃管理の仕組みも重要です。また、先に不動産会社を通すか、自分で入居者を見つけるかという選択も発生します。それぞれの方法で必要な準備や対応が異なるため、早い段階で方向性を決めておくとスムーズです。自分で管理するか、管理会社に委託するかも検討しましょう。また、賃貸収入があれば不動産所得の申告が必要です。
✅ 必要な手続き
- 賃貸契約書の作成と契約締結
- 入居者の審査(信用調査・保証人確認)
- 家賃の支払い方法と管理方法の決定
- 管理会社の委託契約(必要に応じて)
- 不動産所得の確定申告
※ 詳細: 国税庁|不動産所得と確定申告
✅ 注意点
- 管理の手間を考え、管理会社を活用するか検討する
- 経費計上できる項目を確認して節税対策を
- 青色申告を希望する場合は「青色申告承認申請書」を開業から2か月以内に提出(申請書様式はこちら)
3. 民泊を始める場合の手続き
民泊を始める場合は、営業許可や近隣住民への配慮といった独自の準備が求められます。住宅宿泊事業法に基づく運営が中心で、法令に沿った対応が不可欠です。運営面での体制整備もしっかり行いましょう。
✅ 必要な手続き(住宅宿泊事業法)
- 物件の適合性確認(用途地域、マンションの場合は管理規約の確認など)
- 消防法令適合通知書の取得(所轄の消防署に確認)
- 住宅宿泊事業の届出(オンライン申請サイトまたは行政書士への依頼も可能)
- 近隣住民への周知(苦情防止の観点からも推奨)
- 管理業者への委託(家主不在型の場合は必須)
- 宿泊者名簿の作成と3年間保存
- 標識の掲示(届出番号を明記)
- 宿泊実績などの定期報告(義務)
※ ご自分での申請にご不安な方・福岡県内での運営をご検討の方は 民泊.hub in 九州(福岡県) の開業支援サポートをご覧ください。
✅ 注意点
- 違法運営にならないよう、必ず届出を行うこと
- 固定資産税の住宅用地特例(1/6など)が適用除外となる可能性あり → 必ず自治体に用途変更の可否を確認
- 詳細資料:「民泊制度に関するQ&A(住宅宿泊事業法の概要と税務対応)」
- 住民との信頼関係構築のため、管理体制は万全に整えること
まとめ
- 売却の場合:登記・契約・税務申告の流れを確認する
- 賃貸の場合:契約・家賃管理・確定申告を準備する
- 民泊の場合:法令順守と運営体制整備が鍵
✅ それぞれの選択肢に応じた手続きを確実に進めて、スムーズな実家活用につなげましょう。
次回(第7回)は、「実家を処分するときの心の整理と新しい生活」について解説します。
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