
第2回:人生の棚卸し|経験を資産に変える方法
「やってきたこと、たくさんあるはずなのに、いざ振り返ると何も出てこない」
そんなふうに感じたことはありませんか?
肩書きや役割から離れたあと、自分の人生を語ろうとしても、言葉にならない。けれどそれは、価値がないのではなく、“言葉にしていないだけ”なのかもしれません。
今回は、自分の過去を振り返りながら「経験を資産に変える」方法をお届けします。これが、人生の棚卸しという視点です。
なぜ“棚卸し”が必要なのか?
企業が定期的に在庫や資産を確認するように、人生にも「見直すタイミング」が必要です。
- 自分はどんな場面で力を発揮していた?
- 誰といるとき、どんな仕事のときに自分らしさを感じていた?
- どんなことで誰かに感謝された?
こうした問いへの答えは、これからの「自分の軸」を探る手がかりになります。
棚卸しできるのはキャリアだけじゃない
「職歴がないから振り返ることもない」と感じる人もいるかもしれません。 でも棚卸しできるのは、キャリアだけではありません。
- 子育てを通して培ったマルチタスク力や観察眼
- 介護のなかで得た制度対応力や気づき
- 地域活動やご近所付き合いで育んだ人間関係
「履歴書には書けないこと」こそ、あなたの中に積み重ねられた“見えない資産”です。

書き出して、見える化する
おすすめは、「人生の棚卸しワークシート」を使った書き出し。
▷ ワーク例(問いと例文)
- Q1:やりがいを感じた出来事は? → 子どもの受験サポート、提案が採用された経験
- Q2:苦労したけれど乗り越えた経験は? → 介護と仕事の両立、転職や離婚からの再起
- Q3:人に感謝されたことは? → 話を聞いてもらって安心したと言われた
- Q4:夢中になれた時間は? → 趣味の講座、情報発信、イベント運営など
→ 箇条書きでもOK。1日1つでもOK。 書いていくうちに、自分の「軸」や「感情」が浮かび上がってきます。
社会や仕事との接点に気づく
「好き」や「経験」が、実は社会とつながっていたことに気づく瞬間があります。
- 書くのが得意 → 広報や発信の仕事・ボランティアに
- 整理整頓が得意 → 片付け支援や事務サポートに
- 人の話を聴くのが得意 → 傾聴ボランティア、相談支援に
また、気づきやスキルを活かして副業や転職につなげていくことも十分可能です。▶ 求職者支援制度のご案内(厚生労働省)
「なんとなく得意」が、「具体的な価値」に変わるとき、人生の軸が立ち上がってきます。
まとめ:棚卸しは再出発の第一歩
順調なキャリアがなくても、自分だけの歩みがあります。人生の棚卸しを通じて、その歩みを見直すことで、これからの方向性が見えてきます。
過去を整理し、経験を言葉にすることが、 再スタートのための「自分の取り扱い説明書」になります。
まずは、小さな振り返りから始めてみましょう。
次回予告
第3回では「“好き”から始める再スタート」についてお届けします。 心が動いた瞬間に気づき、そこから新しい自分を育てていくヒントをお伝えします。
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