
Kindle出版シリーズ第5回・後編
ペーパーバック出版の実践編|表紙づくり・コスト・よくある質問まで
ペーパーバック出版の基礎は前編で解説しました。後編では、いよいよ実践編。
実際に出版するために必要な「表紙の作り方」「印刷コストの目安」「よくある質問」を解説します。
🎨Canvaでできる!表紙づくりのヒント
ペーパーバック出版では、表紙の作成が重要なステップになります。KDPでは判型とページ数に応じて背幅が決まるため、それに合わせた表紙データ(PDF形式)が必要です。
PhotoshopやIllustratorがなくても、Canvaなどで無料テンプレートを使って作成できます。
背幅の算出とテンプレート活用
KDPには、本の判型とページ数を入力するだけで、正確な背幅を含んだ表紙テンプレート(PDF形式)を自動生成してくれるツールがあります。
このテンプレートを使えば、デザインツールに読み込んで調整するだけで、初心者でもプロ仕様の表紙を作ることが可能です。
Canvaにテンプレートを読み込むことで、「背表紙ずれ」などのトラブルも防ぎやすくなります。
KDPで選べる代表的な判型(Trim Size)
- 5×8インチ(一般的な文庫本サイズ)
- 6×9インチ(ビジネス書や実用書に多いサイズ)
- A5サイズ(学術書や情報量の多い本など)
どのサイズにするかでページ数・印刷代・読者の印象も変わるため、自分の本のイメージに合わせて選ぶのがポイントです。

印刷コストと販売価格の例
ペーパーバック出版では印刷コストがかかりますが、出版自体に費用はかかりません。
Amazonで販売した場合、印刷費を差し引いた売上の一部が著者に支払われます(ロイヤリティ)。
例:白黒印刷・80ページ・販売価格900円(Amazon.co.jp)
- 印刷コスト:約250円
- ロイヤリティ:販売価格の50%(2025年6月以降の新ルール適用)
→ 900円 × 0.5 = 450円 → 450円 − 250円 = 著者利益:約200円
※販売価格が999円以下の場合、ロイヤリティは50%(以前は60%)となります
紙の種類と印刷の種類
- 用紙:クリーム色/白色のいずれかを選択可
- 印刷:白黒 or カラー(カラーは印刷コストが大きく上昇)
ビジネス書や図表が多い場合は「白色用紙」がおすすめ、小説やエッセイは「クリーム色用紙」が読みやすい傾向です。
なお、カラー印刷は白黒の数倍程度コストがかかる場合もあるため、全ページカラーにする際は販売価格や利益のシミュレーションが必須です。

出版後の活かし方
出版後の書籍は、Amazonで自動的に販売されます。
実際に聞かれる声
電子書籍で出版したけれど、イベントや講座で「紙の本はないのですか?」と聞かれることが多い…
電子と紙の両方を出しておけばよかったと後悔する声も少なくありません。
Kindle(電子)とペーパーバック(紙)の両方を同時に出版することで、
デジタル世代・アナログ派のどちらにもリーチでき、相乗効果が期待できます。
Amazonの販促ツール
また、Amazon KDPでは『KDPセレクト』を通じた無料プロモーション(無料キャンペーンやカウントダウンセール)や、Amazon広告(有料)などの宣伝ツールも利用可能です。
うまく活用すれば、より多くの読者に届く可能性が広がります。
よくある質問
Q. 在庫はどうやって持つの?
→ KDPは「プリント・オン・デマンド」方式。注文が入ってから1冊ずつ印刷・発送されるため、著者が在庫を抱える必要はありません。
自分で手元に本を置きたい場合は「著者用注文」で割引価格(印刷費+送料)で取り寄せ可能です。
Q. 実店舗でも販売できますか?
→ 基本的にAmazon内での販売となります。ただし、著者が自分で在庫を取り寄せ、委託販売などを交渉すれば、実店舗での販売も可能です。
同人イベントやセミナー、講座などでの物販にも適しています。
まとめ
- Canvaなどの無料ツールでも表紙作成は可能!KDPのテンプレートを活用しよう
- 判型(サイズ)によって本の印象やコストも変わるので要チェック
- 印刷コストとロイヤリティの仕組みを理解すれば、収益も見込める
- 電子と紙の両方で出版することで、より多くの読者にリーチできる
- Amazonの販促機能や著者用注文なども上手に活用しよう
📩【出版サポート・無料相談受付中】
出版が初めての方、時間が取れない方には「伴走型の出版サポート」もご用意しています。
気軽に相談して、自分だけの1冊を一緒に形にしましょう。
【第6回・後編】はこれで完結です。次回は「出版後のPR・活かし方」について取り上げます。
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