オープンキャンパスで学生や校内の雰囲気を見学し、学校選びのポイントを確認する高校生と保護者

オープンキャンパスは「雰囲気だけ」で決めない|後悔しない学校選びのポイント

夏休みは、多くの高校生がオープンキャンパスに参加する時期です。

初めて訪れる学校にワクワクしたり、先生や在校生の話を聞いて、「この学校は楽しそう」「ここに通ってみたい」と感じたりする人も多いでしょう。

その第一印象は、学校を選ぶうえで大切な判断材料です。

ただし、オープンキャンパスの雰囲気だけで進学先を決めてしまうと、入学後に「思っていた学校と違った」と感じることがあります。

オープンキャンパスは、学校を見て楽しむためだけのイベントではありません。

自分に合う学校かどうかを、自分の目で確かめるための機会です。

今回は、後悔しない学校選びのために、オープンキャンパスで何を見ればよいのかをお伝えします。

オープンキャンパスが「楽しかった」だけで決めていませんか

オープンキャンパスでは、参加者に学校の魅力を知ってもらうために、さまざまな工夫がされています。

在校生が明るく案内してくれたり、先生が丁寧に説明してくれたり、体験授業や実習が楽しく構成されていたりします。

参加した高校生が「楽しかった」と感じることは、決して悪いことではありません。

その学校に興味を持つ、最初のきっかけになるからです。

しかし、「楽しかった」という感想だけでは、その学校が本当に自分に合っているかどうかまでは分かりません。

オープンキャンパス当日の特別な雰囲気と、入学後に続く毎日の学校生活は、同じではないからです。

大切なのは、楽しかったかどうかに加えて、

「自分が学びたいことを学べるか」

「無理なく通い続けられるか」

「卒業後の進路につながるか」

という視点を持つことです。

早く受験を終わらせたい気持ちが、学校選びを急がせることもある

長年、高校や専門学校、大学などで学生と向き合う中で、気になることがあります。

「受験勉強を続けるのが大変だから」

「早く進路を決めて安心したいから」

「オープンキャンパスが楽しそうだったから」

そのような理由で、総合型選抜や学校推薦型選抜を利用し、早い段階で進学先を決めようとする学生がいます。

もちろん、総合型選抜や学校推薦型選抜そのものに問題があるわけではありません。

自分の経験や意欲を評価してもらえる、重要な入試制度です。

ただし、「早く受験を終わらせたい」「楽しそうだった」という理由だけで学校を選んでしまうと、入学後に、

「思っていた授業と違った」

「学びたい内容ではなかった」

「やっぱり自分には合わなかった」

と悩むことがあります。

問題なのは、入試方式ではありません。

その学校を選ぶ理由を、自分の言葉で説明できないまま決めてしまうことです。

受験を早く終わらせることよりも、その先の数年間をどこで、どのように過ごすのかを考えることが重要です。

オープンキャンパスで見るべき5つのポイント

オープンキャンパスに参加するときは、校舎のきれいさやイベントの楽しさだけでなく、入学後の毎日を想像しながら見学してみましょう。

ここでは、学校選びで確認してほしい5つのポイントを紹介します。

1.学生の表情や普段の様子

案内を担当している学生だけでなく、廊下ですれ違う学生や教室にいる学生の様子も見てみましょう。

学生の表情は自然でしょうか。

先生や学生同士で、どのような会話をしているでしょうか。

案内係の学生は、学校の代表として選ばれていることがあります。

そのため、案内の上手さだけではなく、校内全体の様子にも目を向けることが大切です。

学生の挨拶や表情、友人との接し方から、その学校の日常が見えてくることがあります。

2.先生に質問しやすい雰囲気があるか

入学後、授業や実習、資格取得、就職活動などで、先生に相談する機会は何度もあります。

オープンキャンパスでは、先生が一方的に説明するだけではなく、学生や保護者からの質問にどのように答えているかも見てみましょう。

質問を最後まで聞いてくれるか。

分かりやすく説明してくれるか。

良いことだけでなく、難しさや注意点も伝えてくれるか。

「この先生なら相談できそう」と感じられるかどうかは、学校生活を続けるうえで大切な判断材料です。

3.授業や実習の内容が自分に合っているか

体験授業が楽しかったとしても、それだけで学科やコースを決めるのは早いかもしれません。

実際には、どのような科目を学ぶのか。

実習はどの程度あるのか。

取得を目指す資格は何か。

授業についていくために、どのような勉強が必要なのか。

卒業までのカリキュラムを具体的に確認しましょう。

特に専門学校や専門性の高い学部では、入学後すぐに専門科目や実習が始まる場合があります。

「興味がある」という気持ちだけでなく、その学びを続けられそうかという視点も必要です。

4.卒業後の進路や就職実績

学校を選ぶときは、入学することだけでなく、卒業後の進路も考えておきましょう。

就職率の数字だけを見るのではなく、

どのような企業や業界に就職しているのか。

希望する職種に就いている人はどのくらいいるのか。

資格取得のための支援はあるのか。

進学や編入という選択肢はあるのか。

具体的に確認することが大切です。

「就職率が高い」という説明だけでは、自分が希望する進路につながるかどうかまでは分かりません。

可能であれば、就職先の一覧や卒業生の進路事例も見せてもらいましょう。

5.毎日通う生活を想像できるか

オープンキャンパスの日は、いつもより時間に余裕を持って出かける人が多いでしょう。

しかし、入学後はその学校へ毎日通うことになります。

自宅から学校までの通学時間。

乗り換えの回数。

駅やバス停から学校までの距離。

朝の混雑状況。

昼食を取る場所。

周辺の環境。

これらは、学校生活を続けるうえで無視できない条件です。

行きたい学校であっても、通学の負担が大きすぎると、遅刻や欠席につながることがあります。

「一度なら通える」ではなく、「毎日続けられるか」という視点で考えてみてください。

パンフレットに書かれていない部分も見る

オープンキャンパスでは、学校から渡されるパンフレットや資料に目が向きがちです。

しかし、校内の掲示板や教室の様子にも、その学校らしさが表れています。

資格試験の案内。

学生作品。

学校行事のお知らせ。

求人票。

就職活動の予定。

補講や再試験に関する案内。

こうした掲示物から、学校が何を重視しているのか、学生がどのような生活を送っているのかが見えてくることがあります。

施設の新しさだけでなく、そこで行われている学びや活動に目を向けることが大切です。

保護者は答えを決めるのではなく、考える手助けをする

オープンキャンパスには、保護者と一緒に参加する高校生も多くいます。

保護者は、学費や通学、安全面、就職実績など、本人とは異なる視点で学校を見ることができます。

その視点は、学校選びに欠かせません。

ただし、見学後すぐに、

「この学校が一番良さそう」

「ここに決めたら」

と結論を出してしまうと、本人が自分で考える機会を失うことがあります。

まずは、

「何が一番印象に残った?」

「良いと思った理由は何?」

「気になったことはなかった?」

「ほかの学校と比べると、何が違った?」

と問いかけてみてください。

自分の感想を言葉にすることで、本人の中でも学校選びの基準が少しずつ整理されていきます。

保護者の役割は、答えを与えることではありません。

本人が納得して選べるように、考えを引き出すことです。

オープンキャンパス後は必ず記録を残す

複数の学校を見学すると、時間がたつにつれて印象が混ざってしまいます。

オープンキャンパスに参加した当日か翌日までに、簡単な記録を残しておきましょう。

例えば、次のような項目です。

学びたい内容があったか
・学生や先生の印象
・授業や実習の内容
・資格取得や就職支援
・通学のしやすさ
・良かった点
・気になった点
・もう一度確認したいこと

点数をつける必要はありません。

自分が何を感じ、何を大切だと思ったかを書いておくことが重要です。

「なんとなく良かった」という感想を、少しずつ具体的な言葉に変えてみてください。

最後に

長年、高校や専門学校、大学などで学生と向き合い、進路や就職について多くの相談を受けてきました。

その中で感じるのは、進学後に充実した学校生活を送っている人ほど、「人気だから」「友達が行くから」「早く受験を終わらせたいから」ではなく、自分なりの理由を持って学校を選んでいるということです。

オープンキャンパスで見るべきなのは、単に「人気のある学校」かどうかではありません。

そこは、あなたがこれから数年間を過ごす場所です。

パンフレットやホームページだけでは分からないことがあります。

だからこそ、自分の目で見て、自分の言葉で考えてみてください。

「この学校なら頑張れそう」

そう思えたなら、なぜそう感じたのかを言葉にしてみましょう。

その理由を一つでも説明できたとき、学校選びは「なんとなく決めた進路」から、「自分で選んだ進路」へと変わっていきます。

投稿者プロフィール

秋吉美和
秋吉美和
有限会社オールバーグ代表。企業・学校で27年以上、延べ1万人以上の人材育成に携わる。「人生の判断に、納得を。」をテーマに、自分で考え、納得して判断するためのヒントを発信しています。