
小論文でよくある失敗と改善ポイント|評価される書き方とは
小論文で多くの生徒がつまずくのは、「何を書けばよいか分からない」という段階です。
しかし実際には、その原因の多くは
設問の読み取りや考え方の整理が不十分なまま書き始めていることにあります。
私は九州圏内の高校で、進路指導や小論文指導に20年以上関わってきました。本記事では、現場でよく見られる失敗をもとに、改善のポイントを整理します。
小論文でよくある失敗と改善ポイント
小論文では、似たような失敗が繰り返されます。
ここでは代表的な例を「原因」と「改善」で整理します。
●感想になってしまう(作文との違い)
例(NG)
ボランティア活動は大変だったが、とても良い経験だった。
原因
- 意見(結論)と理由・具体例の準備が不十分
改善
- 結論を最初に示す
- 理由と具体例で説明する
改善例
ボランティア活動は地域社会において重要である。なぜなら、高齢化が進む地域では行政だけでは対応しきれない課題が増えているからである。実際に、地域の見守り活動ではボランティアの存在が不可欠となっている。
●設問に答えていない(小論文の読み取り不足)
例(NG)
設問:「資料を踏まえて考察しなさい」
AIはこれからの社会で必要だと思う。なぜなら便利だからである。
(※資料に触れていない)
原因
- 設問の指示(意見・要約・資料使用)の確認不足
改善
- テーマ・指示・条件を整理する
- 資料を根拠として使う
改善例
資料からはAIの導入によって業務効率が向上していることが分かる。この点から、AIは今後の社会において必要であると考える。
●理由が弱い(説得力がない)
例(NG)
AIは便利だから必要である。
原因
- 理由が抽象的で因果関係が弱い
改善
- 「なぜそう言えるのか」を具体化する
改善例
AIは人手不足を補う手段として必要である。特に医療や介護の分野では人材不足が深刻であり、AIの導入によって業務効率の向上が期待できる。
●具体例がない(根拠不足)
例(NG)
少子高齢化は問題であり、対策が必要である。
原因
- 具体例(根拠)の不足
改善
- 社会事例や現実の状況を入れる
改善例
少子高齢化は大きな社会問題である。例えば地方では高齢者のみの世帯が増加し、日常生活の維持が困難になっているケースも見られる。
●結論がぶれる(構造が崩れる)
例(NG)
AIは必要だと考える。一方で問題も多い。どちらとも言えない。
原因
- 構造メモ未作成による立場の不明確さ
改善
- 最初に立場を決める
- 構造メモで整理する
改善例
AIには課題もあるが、総合的に見て導入は必要である。なぜなら、人手不足の解消や業務効率の向上に寄与するためである。
小論文で評価される書き方とは
小論文では特別なテクニックよりも、次の基本が重要です。
- 設問を正確に読む
- 結論を明確にする
- 理由と具体例を対応させる
これらが整理できると、小論文として評価される水準に近づきます。
小論文は「考え方」を見る試験
小論文は単なる文章力の試験ではありません。
評価されているのは
- どのように考えるか
- どのように説明するか
という思考のプロセスです。
小論文シリーズまとめ
ここまでの内容は、以下の記事で段階的に整理しています。
- 小論文とは何か?作文との違い
- 小論文のテーマの読み取り方と構造メモ
- 小論文でよくある失敗と改善ポイント(本記事)
高校での進路指導や小論文指導の現場でも、こうした点を意識して指導を行っています。
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