伝わるコミュニケーション実践講座
第8回 研修後に現場が変わる仕組み──フォローアップの重要性


「研修を受けた直後はやる気があったのに、数週間後には元通り…」
「現場では忙しくて、せっかく学んだ内容を思い出す時間もない」
──そんな声をよく聞きます。

実は、これは特別なことではありません。人は時間とともに忘れていく生き物です。心理学で有名な“エビングハウスの忘却曲線”によると、人は1日後に学んだ内容の約67%を忘れてしまうといわれています。

だからこそ重要なのが、「研修で終わらせない仕組み=フォローアップ」です。
学びを現場に根づかせるには、受講後のフォローをどう設計するかが鍵になります。

本記事では、AIも活用しながら研修効果を定着させるための3つのステップをご紹介します。


なぜフォローアップが重要なのか

  • 人は忘れる生き物(1日で67%、1週間で80%以上を忘却)
  • 現場は“忙しい”が最優先。学びは後回しになりがち
  • 上司や同僚のサポートがなければ行動は続かない

フォローアップを研修設計に組み込むことで、学びが行動に変わり、成果につながります。
AIツールを活用すれば、負担を増やさずに“継続できる仕組み”を作ることも可能です。


フォローアップの3つのステップ

① 「振り返り」で意識を定着させる

  • 研修後1週間以内に簡単な振り返りフォームを送信
  • 質問例:
    「研修で印象に残った内容は?」
    「明日から試してみたい行動は?」
  • GoogleフォームやChatGPTを使えば、自動で質問を生成できます。

👉 書くことで記憶が整理され、「やってみよう」という気持ちを再点火できます。


② 「見える化」で行動を継続させる

  • 現場での実践を共有し、チーム内で“成功エピソード”を発信
  • AI議事録ツールで進捗を自動まとめ・共有
  • 社内チャットやGoogleドキュメントで成果を“見える化”する

💡 成功を共有することで、組織全体に前向きな空気が生まれます。

例:
「叱り方を変えたら、若手が自分から意見を出すようになった」
→ その一言が次の行動のモチベーションにつながります。


③ 「フィードバック」で現場力を底上げ

  • 研修講師や上司が1か月後に短時間フォロー面談を実施
  • ChatGPTで“行動チェックリスト”を自動生成し、確認を効率化
  • フィードバックは「できている点+次の一歩」を伝える

👉 指摘ではなく“伴走”の姿勢で行うことで、受け手の意欲を高めます。


実際のフォローアップ事例

製造業A社の場合

  • 研修1か月後にAIが行動レポートを自動要約
  • 上司がコメントを添えて配信
    → 実施率92%、定着率70%に向上

医療法人B社の場合

  • 週1回のミーティングで「今週の成功例」を共有
  • ChatGPTが議事録から“次の課題”を抽出
    → チーム全体が前向きに変化

明日からできるフォローアップチェックリスト

☐ 研修後1週間以内に振り返りを行っているか
☐ 成果を“見える化”できているか
☐ 成功例をチームで共有しているか
☐ フィードバックの時間を確保しているか
☐ AIツールでフォローアップを自動化しているか


まとめ

フォローアップは「研修のあと」ではなく、研修の一部です。
AIを活用すれば、負担をかけずに効果的なフォローアップが可能になります。

学びを“やって終わり”にせず、行動が変わり、職場が変わる瞬間まで支援すること
それが、本当の人材育成です。


次回予告

伝わるコミュニケーション実践講座|第9回は「トラブル事例に学ぶ──叱り方・指示の出し方の失敗と成功パターン」。


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miwa
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