
【AI×人が創る職場コミュニケーションの最前線】 【第5回】育成や1on1はAIで代替できる?──管理職が人として関わり続ける意味
育成と1on1
「評価は伝えた。では、この先どう関わればいいのか。」
第4回で扱ったフィードバックのあと、
多くの管理職が次に悩むのが「育成」と「1on1」です。
- 定期的に時間は取っている
- 形式的には1on1をしている
- でも、手応えがない
そんな声は、決して少なくありません。
ここで一度、1on1とは何のための時間なのかを整理しておきましょう。
1on1とは、
上司と部下が定期的に1対1で行う対話の時間であり、
業務報告や評価の場ではなく、部下の思考や状態、成長を支援するための場です。
重要なのは、
「話す人」は部下、
「支える役」が上司であるという役割分担です。
進捗確認や指導が中心になると、
1on1は単なる面談やミーティングになり、
部下は評価されている感覚を強めてしまいます。
また、雑談だけで終わる場合も、
関係性は良くなっても、育成にはつながりにくくなります。
本来の1on1の目的は?
- 思考を整理し、自分で気づくこと
- 状態の変化を早めに察知すること
- 成長を中長期で支えること
この3点にあります。
AIの活用が進み、
- 面談の質問案を出す
- 振り返りを要約する
- 次回のテーマを整理する
といったことも、簡単にできるようになりました。
では、育成や1on1は、
AIに任せてしまってもよいのでしょうか。
AIでできる育成支援/できない育成(AI×1on1の役割分担)
まずは、育成の場面でも、
AIが得意なことと、そうでないことを整理してみましょう。
AIが得意なこと
- 面談テーマや質問のたたき台作成
- これまでの内容の要約・整理
- 行動計画の言語化
- 感情を刺激しにくい表現への変換
育成や1on1の「準備」と「整理」の部分では、
AIは非常に心強い存在です。
AIが苦手なこと
- 相手の迷いや戸惑いを感じ取ること
- 沈黙の意味を読むこと
- 関係性の変化を察知すること
- 今は“待つ”べきかどうかの判断
育成とは、
言葉だけで進むものではありません。
1on1が形骸化してしまう理由(管理職がつまずきやすいポイント)
1on1がうまく機能しない職場には、
いくつかの共通点があります。
- 話す内容が毎回同じ
- 上司が「答え」を用意してしまう
- 評価や指導の場になっている
本人は話しているつもりでも、
部下からすると
「聞いてもらっていない」と感じてしまうことがあります。
特に、
- 年上部下
- 経験豊富な中堅層
- 外国人スタッフ
こうしたメンバーとの1on1では、
関わり方そのものが問われます。
AIを使った1on1を「対話」に戻す型(管理職向け1on1設計)
AIを使うからこそ、
1on1は次のような流れで設計すると、形骸化しにくくなります。
- AIで事実とテーマを整理する
- 最近の出来事
- 業務上の変化
- 気になっている点
- 管理職は「問い」だけを持つ
- どう感じているか
- 何に迷っているか
- 今、何を一番大事にしたいか
- 答えを急がず、関係性を更新する
- 沈黙を埋めない
- 評価に結びつけない
- 次回につながる余白を残す
AIは①を支援しますが、
②③は人にしかできません。
活用事例①:1on1を続けているのに、育っている実感がない(AI活用例)
背景
ある管理職は、毎月欠かさず1on1を実施していました。
- 実施頻度:月1回・30分
- 形式:事前に質問リストを用意し、順番に質問
- 記録:面談後にAIで要約し、次回テーマも整理
一見すると、1on1は「きちんと運用」されています。
課題
しかし、管理職本人には次のような違和感がありました。
- 部下の行動が大きく変わらない
- 自主性が育っている実感がない
- 面談後も、同じ話題が繰り返される
見直したポイント
振り返ってみると、その1on1は
- 上司が質問を投げ
- 部下が答え
- 上司がまとめる
という構造になっており、
部下が「考え続ける時間」になっていませんでした。
改善後の関わり方
AIの使い方を次のように変更しました。
- AI:前回内容の要約と論点整理のみを担当
- 管理職:問いを1つだけ持ち、答えを急がない
沈黙があっても、すぐに助言せず、
部下が言葉を探す時間を尊重しました。
変化
- 部下から、自分の課題や考えを話す時間が増えた
- 次回までに試す行動を、自分で決めるようになった
- 管理職自身も「育成している」手応えを持てるようになった
活用事例②:年上部下との1on1で、距離が縮まらなかったケース(管理職の関わり方)
背景
年上で現場経験が豊富な部下との1on1に、
管理職は強い難しさを感じていました。
- 形式的なやり取りで終わる
- 本音が見えない
- 話題が業務連絡に偏る
AI活用の工夫
AIで、
- これまでの貢献や強み
- 現場で評価されている点
を事前に整理し、
最初に「感謝と信頼」を言語化することから始めました。
人が担ったこと
- 教える姿勢を手放す
- 経験を尊重する問いを投げる
- すぐに結論を出さない
変化
- 部下が自身の考えや不安を語るようになった
- 対等な対話に近づいた
- 1on1が「安心して考えられる時間」になった
活用事例②:年上部下との1on1で、距離が縮まらなかったケース
背景
年上で現場経験が豊富な部下との1on1に、
管理職は強い難しさを感じていました。
- 形式的なやり取りで終わる
- 本音が見えない
- 話題が業務連絡に偏る
AI活用の工夫
AIで、
- これまでの貢献や強み
- 現場で評価されている点
を事前に整理し、
最初に「感謝と信頼」を言語化することから始めました。
人が担ったこと
- 教える姿勢を手放す
- 経験を尊重する問いを投げる
- すぐに結論を出さない
変化
- 部下が自身の考えや不安を語るようになった
- 対等な対話に近づいた
- 1on1が「安心して考えられる時間」になった
管理職への問い(1on1と育成を見直す視点)
この1on1は、
相手が「評価された」と感じる時間でしょうか。
それとも、
「安心して考えられる」と感じる時間でしょうか。
AIを使うほど、
管理職の関わり方そのものが、
よりはっきりと伝わるようになります。
次回は、
こうした育成や1on1の土台となる
対話と信頼関係のつくり方について、さらに掘り下げていく予定です。
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