
伝わるコミュニケーション実践講座
第4回 外国人スタッフに伝わる指示──文化と言語の壁を越える方法
はじめに
「同じことを何度も伝えているのに理解されない」
「Yes と言ったのに実際には違うことをしていた」
──外国人スタッフとのやり取りで、あなたはなぜかいつもモヤモヤしていませんか?
それは、あなたの指示が悪いのではなく、「伝わるように」仕上げるためのちょっとしたコツを知らないだけかもしれません。
調査でも示されているように、外国人雇用企業の約4割が「言語やコミュニケーション」に課題を感じています(参考:厚生労働省 令和6年外国人雇用実態調査)。
では、どうすれば外国人スタッフに伝わらない指示を改善できるのでしょうか?
外国人スタッフに指示が伝わらない3つの壁
① 言語の壁
- 日本語の敬語やあいまい表現は特に誤解を招きやすい
- 例:「できれば早めに」→ いつまで?が分からない
② 文化の壁
- 日本特有の「察する文化」が通じない
- 指示よりも「背景」を知りたいと感じる人も多い
③ 確認不足
- 「分かった?」→「Yes」と返事しても理解していないケース多数
- 復唱やチェックが不足すると、すれ違いが積み重なる
事例で考える
ケース1:曖昧な日本語
上司:「なるべく早めにお願いします」
スタッフ:「今日中?明日?今すぐ?」 → 判断できない
ケース2:背景を説明しない
上司:「これ片付けておいて」
スタッフ:「どこまで?なぜ必要?」 → 仕事の優先度を誤解
ケース3:確認をしない
上司:「この工程やっておいて」
スタッフ:「Yes」と答えるが、やり方が全く違う
ケース問題
あなたならどう伝えますか?
場面:外国人スタッフに翌日のイベント準備を依頼。
- A:「明日までに準備よろしく」
- B:「明日のイベントのために、机を10台並べてください。場所は会議室A。17時までに終わらせて、完了したら写真を送ってください」
👉 Aはあいまいで誤解を招く。
👉 Bは「目的・内容・期限・完了確認」まで含まれ、伝わりやすい。

国ごとの文化的背景を踏まえた工夫と事例
🇳🇵 ネパール人スタッフ
- 特徴:温和でフレンドリー、対人関係を大切にする
- 注意点:Yesと言いながら理解していないことが多い(「相手を傷つけないため」)
- 効果的な指示:必ず「復唱」をしてもらう/図や写真で見せると理解度アップ
- 実際のすれ違い事例:ネパール人スタッフが「分かりました」と答えたのに、実際には別の作業をしていた。→復唱確認で防止可能。
🇻🇳 ベトナム人スタッフ
- 特徴:若い世代は勤勉で素直、上下関係を重んじる文化
- 注意点:指示が曖昧だと「自分の判断では動けない」ため停滞する
- 効果的な指示:「期限・手順」を明示/「これはあなたの担当です」と役割を明確化
- 実際のすれ違い事例:ベトナム人スタッフが「少し急ぎで」と言われて、翌日対応した。→具体的な期限を明示していれば防げた。
🇨🇳 中国人スタッフ
- 特徴:自己主張が強く、効率や成果を重視
- 注意点:指示が非効率だと納得しにくく、自分流に変えることもある
- 効果的な指示:目的や成果を数字で示す/「チーム全体のため」と背景を説明すると協力的
- 実際のすれ違い事例:中国人スタッフが「時間がかかっても丁寧に」と指示されたが、「効率重視」で方法を変えてしまった。→目的を数値で明示すれば解決。
改善のための3つの工夫(壁と対応をつなげる)
- 言語の壁には「具体的表現のトレーニング」
- 「なるべく早めに」→「明日の17時までに」など、あいまい表現を置き換える練習を習慣化する。
- 文化の壁には「背景を伝えて自律性を育てる」
- 背景を伝えることでスタッフが自分で判断できるようになり、自律性と責任感が育つ。
- 確認不足には「復唱+完了報告の仕組み」
- 指示後に必ず復唱してもらい、完了時は写真・チャットでの報告をルール化する。
明日からできるチェックリスト
- ☐ 指示を「誰が・何を・いつまでに」で伝えたか
- ☐ あいまい表現を避けたか
- ☐ 背景や理由を補足したか
- ☐ 相手に復唱させたか/完了報告方法を決めたか
- ☐ 必要に応じて翻訳ツールを使ったか
まとめ
- 外国人スタッフに伝わる指示には「シンプル・具体・背景・確認」が必須。
- 文化の違いを理解し、ツールを活用することで誤解を減らせる。
- 指示は「伝える」でなく「伝わる」形に仕上げることが重要です。
文化の壁を越えるこの一歩が、あなたのチームを最強のチームへと変えていくはずです。さあ、明日から、今日学んだチェックリストを実践してみましょう!
次回予告
伝わるコミュニケーション実践講座|第5回は「社内AI活用で指示の質を上げる──文章作成からマニュアル共有まで」。
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