
子どもや孫にどう想いを託す?
終活のすすめ|エンディングノートとお墓・葬儀の費用で考える“自分らしい旅立ち”
はじめに
「終活なんて、まだ早い」——そう感じていませんか?
私の叔母も、同じように笑っていました。
「終活? そんなの、まだ早か!」
叔母にエンディングノートを勧めたとき、そんな明るい声が返ってきました。
その笑顔に、“終活”という言葉の重さと、誰にとっても避けたい話題である現実を感じたのを覚えています。
でも実は、終活は「死の準備」ではなく、「これからの生き方を整えること」。
まだ元気なうちに、自分の想いや希望を整理しておくことが、
残される家族にとって何よりの“優しさ”になるのです。
私自身も、家族の見送りを経験して思うのは、
「死」を怖がるより、「未来を整える冒険」として捉えるほうが、
心も人生も、ずっと軽やかになるということです。

1. エンディングノート:「人生の取扱説明書」で家族を安心させる
ポイント:考える時間そのものが、何よりの財産です。
エンディングノートは、財産・保険・医療・葬儀など、
「もしも」のときに家族が困らないよう整理するためのノートです。
平均的な市販ノートの価格は 1,000〜2,000円程度。
ノート1冊で、自分の人生の棚卸しができるなら、とても小さな投資です。
書いておくと安心な項目例:
- 延命治療の希望(希望する/しない)
- 大切な人への感謝のメッセージ
- 葬儀やお墓の希望(形式・費用・場所)
- デジタル遺品(SNS・銀行・サブスクなど)の扱い
💻 デジタル終活のポイント
近年はネット銀行・SNS・定期購入サービスなどの情報が増え、
家族が気づかないまま放置されるケースもあります。
パスワードの整理や、利用サービスのリストアップをしておくだけでも、家族の負担を大きく減らせます。
「管理ツール」や「アカウント引継ぎ設定」を活用し、万が一に備えておくことが大切です。
💡書いているうちに「まだやりたいこと」「会いたい人」に気づく方も多くいます。
エンディングノートを書くことは、過去を見つめ直し、これからを生きるためのリスタートでもあります。
2. 葬儀・お墓:形式より「自分らしさ」で費用と負担を減らす
ポイント:形式にとらわれず、「どう送り出されたいか」を考える時代です。
近年、葬儀の形は多様化しています。
一般的な葬儀費用の目安は以下の通りです。
- 一般葬:約130〜150万円
- 家族葬:約80〜100万円
- 直葬(火葬のみ):約20〜40万円
- 樹木葬や永代供養墓:約30〜80万円
以前は「立派な葬儀が供養」とされていましたが、
今は「負担を減らし、温かく見送ってほしい」と考える人が増えています。
「派手じゃなくていい」「自然の中で眠りたい」——
そんな気持ちを家族に伝えておくだけで、
残された人たちは迷わず、安心して見送ることができます。
一方で、最近は墓じまいを考える人も増えています。
お墓の維持や管理を続けるのが難しくなり、
遠方に住む子どもや孫に負担をかけたくない、という理由が多いようです。
墓じまいにかかる費用は、
- 平均20〜50万円程度(撤去・供養・改葬含む)
が目安です。
新しい納骨先(永代供養墓・樹木葬など)を選ぶ場合は、
さらに 30〜80万円 程度が必要になります。
ただ、費用の問題だけではありません。
「せめて七回忌までは」「もう少し近くに感じていたい」——
そう願う家族の想いも、また大切です。
その気持ちを大切に抱きながら、少しずつ“これからの形”を考えていくのも、終活の一歩かもしれません。
終活の本質は、“お墓をどうするか”を決めることではなく、
**「どうつながりを残したいか」**を考えること。
墓じまいを選ぶにしても、感謝や祈りの形を大切に残す方法を、
家族で一緒に話し合うことが、何よりの供養になるのだと思います。
3. 想いを残す方法
ポイント:「死」は終わりではなく、“想いがつながる始まり”。
終活では、お金の整理だけでなく「想いをどう残すか」が大切です。
手紙、アルバム、動画、または家族との時間。
たとえ小さな形でも、それが“心の遺言”になります。
たとえば:
- 子どもに伝えたい「生きる力」
- 孫に残したい「好きだった場所や思い出」
- パートナーに伝える「ありがとう」
私の叔母にも、認知症のきざしが見えたときに
「一緒に思い出を整理しておこうか」と声をかけたことがあります。
けれど叔母は笑って、「まだ、はやか!」といつもの調子。
その言葉を聞いた瞬間、私は「元気なうちにこそ話しておく大切さ」を実感しました。
その後、叔母は昨年亡くなりました。
あのとき、もう少し時間をとって“想いを残す時間”を一緒に過ごせていたら——
そう思う気持ちは、今も心の中にあります。
だからこそ今は、「話すタイミングを逃さないこと」こそが最大の準備だと感じます。
ほんの5分でもいい。食卓で、散歩の途中で、「もしものとき、どうしたい?」と話せる時間を持ってみてください。
その小さな一歩が、未来の安心につながります。
終活は書類を埋める作業ではなく、**「今を見つめ、心を伝える時間」**なのだと思います。
まとめ|未来を整える冒険へ
終活とは、“死の準備”ではなく、“安心して生きるための整え”。
お金やモノを整理することで、家族の負担を減らし、
想いを伝えることで、次の世代に“心の地図”を渡せます。
今のうちに「これからの自分」をデザインしておくこと——
それが、自分らしく生ききるための“未来を整える冒険”です。
有限会社オールバーグでは、FPの視点から、「お金と想い」両面の終活サポートを行っています。
「終活ノートの選び方」や「誰に・何を託すか」の言語化まで、プロの目線で一緒にデザインしていきましょう。
あなたらしい終活の形を、一緒に整えてみませんか?
相談は全てご希望の時間にオンラインで行っています。
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