
第7回:病気・ケガ・入院…もしものときの備え
突然の入院、どうする?「もしも」に備えるお金と制度の知識
入院やケガ、親の介護など──
人生には、突然お金が必要になる「もしも」の瞬間があります。
この記事では、私自身の家族の体験をもとに、
「医療費」「収入の減少」「親の入院」などにどう備えるか、
実際に使える制度や備えの方法を解説します。
高額療養費制度や付加給付制度の活用方法、
フリーランスや親世代にも役立つ備えのポイントがわかります。
1. 入院や治療にかかる医療費はいくら?高額療養費制度の活用も
日本は公的医療保険制度が整っていますが、それでも入院や手術となると、
想像以上にお金がかかります。
たとえば…
- 入院1日あたりの自己負担額:約2〜3万円(差額ベッド代・食事・雑費含む)
- 入院期間:平均約15日(厚生労働省調査)
- 合計:約30万円〜50万円が目安
出典:厚生労働省「医療施設動態調査」など
また、治療によっては通院や薬代も加わり、
高額療養費制度を使っても、一時的な立て替えや、
差額ベッド代などの「保険外費用」は自己負担になります。
70歳未満・年収約370万円〜770万円の層(全国平均)では、
入院時の1ヶ月の自己負担は「約8万円〜9万円程度」が目安とされています。
高額療養費制度とは?
1ヶ月の医療費が高額になった場合、自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度です。
高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払った額(※)が、ひと月(月の初め から終わりまで)で上限額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。 ※入院時の食費負担や差額ベッド代等は含みません。
70歳未満の方の区分
| 所得区分 | 自己負担限度額 | 多数該当(※2) |
|---|---|---|
| ① 区分ア(標準報酬月額83万円以上の方) (報酬月額81万円以上の方) | 252,600円+(総医療費※1-842,000円)×1% | 140,100円 |
| ② 区分イ(標準報酬月額53万〜79万円の方) (報酬月額51万5千円以上〜81万円未満の方) | 167,400円+(総医療費※1-558,000円)×1% | 93,000円 |
| ③ 区分ウ(標準報酬月額28万〜50万円の方) (報酬月額27万円以上〜51万5千円未満の方) | 80,100円+(総医療費※1-267,000円)×1% | 44,400円 |
| ④ 区分エ(標準報酬月額26万円以下の方) (報酬月額27万円未満の方) | 57,600円 | 44,400円 |
| ⑤ 区分オ(低所得者)(被保険者が市区町村民税の非課税者等) | 35,400円 | 24,600円 |
付加給付とは?
健康保険組合によっては、高額療養費制度の上限に加えて、
さらに自己負担額を軽減する「付加給付」があります。
たとえば「1ヶ月の医療費自己負担が2万円まで」など、
組合独自の上限がある場合、実質的な負担はかなり軽くなることも。
出典:東京都情報サービス産業健康保険組合など
2. 収入が途絶えるリスクに備える|働けないときの生活設計
医療費以上に深刻なのが、「働けなくなることによる収入減」です。
会社員であれば「傷病手当金」が支給される場合がありますが、
自営業やフリーランスの場合、収入がゼロになる可能性も。
備えとして考えたいこと:
- 貯蓄:最低でも生活費3〜6ヶ月分の備えが目安
- 民間の医療保険・所得補償保険
加入の前に、まずは制度の有無や条件を確認し、
「貯蓄」と「情報整理」から始めましょう。

3. 親の入院や介護が突然始まったら?子世代にできる準備
母が80歳のとき、軽い転倒から始まり、圧迫骨折や大腿骨骨折を繰り返し、
人工股関節の置換手術を受けました。年に2回は救急搬送、認知症も進行。
助かったのは「ケガの保険」に加入していたことでした。
父は60歳で若年性アルツハイマー型認知症を発症。
当時、私は30歳子育て真っ盛りどうしていいか右も左もわかりませんでした。
いよいよ本格的な介護が必要になったとき、
当時発売されたばかりのアフラックの民間介護保険に加入していたことが、
在宅介護費用の大きな支えになりました。
親の医療や介護は突然やってきます。
医療費以外にも、交通費・宿泊費・休職など、「見えにくい支出」が家計を圧迫するのです。
準備しておくと安心なこと:
- 実家近くに短期滞在の拠点を探しておく
- 両親と定期的に医療・介護の話をしておく
- 緊急時に備えた「予備費口座」をつくる
4. 病気やケガに備えるための3つの視点|チェックリストで確認しよう
✅ 医療費の備え
□高額療養費制度の自己負担限度額を確認した
□加入している健康保険組合の「付加給付制度」の有無を確認した
✅ 収入減少の備え
□傷病手当金や所得補償保険の適用条件を把握している
□非常用資金として生活費3〜6ヶ月分を別枠で確保している
✅ 家族との連携
□家族との連絡体制(緊急連絡網)を確認している
□保険証・通帳・重要書類の保管場所を家族で共有している
不安がある方は、以下の公式情報も参考に
- 日本FP協会
https://www.jafp.or.jp/ - 全国健康保険協会
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/ - 厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html
まとめ|もしもの医療費と生活不安、備えのカギは「制度の理解」と「暮らしの設計」
病気やケガは、ある日突然起こります。
「何に、どれだけお金がかかるのか」
「どんな制度があるのか」を知っているだけで、
不安の半分は軽くなります。
そして、「自分や家族の暮らしにあわせた備え」を考えておくことで、
制度ではカバーしきれない“家計の耐久力”を高めることができます。
▶ 医療費や収入減のリスクが不安な方は、
ファイナンシャルプランナー(FP)への相談もおすすめです。
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