お金の不安8

はじめに|「老後資金2000万円問題」はあなたの話?

老後資金2000万円──そう聞いて、肩の力が抜けるような気持ちになったことはありませんか?

「そんなの、無理だったよ」

シングルマザーとして子どもを育て、教育費に追われながら、日々の生活に精一杯向き合ってきた。

けれど、子どもが独立し、少し時間にゆとりができた今、ふと感じることがあります。

「このまま老後に突入してしまうのかな…」

この記事では、「老後資金なんて貯まっていない」という方に向けて、今からでもできる現実的な備え方を、やさしく、わかりやすくお伝えします。


1. 老後資金2000万円問題は「一部の人」の話にすぎない

まず理解しておきたいのは、老後資金2000万円問題とは、金融庁が公表したある報告書に基づいたものだという点です。

想定されていたモデルケース

  • 夫婦2人暮らし
  • 持ち家あり
  • 公的年金だけでは毎月約5万円不足

これはあくまで一例にすぎず、すべての人に当てはまるわけではありません。

シングルマザーの現実

  • 教育費の負担が大きく、貯金どころではなかった
  • パートや非正規で収入が不安定だった
  • 忙しさに追われ、自分の将来まで考えられなかった

──それでも、懸命に日々を生きてきたあなたは、すでに十分がんばってきたのです。

今からでも遅くありません。今の自分に合った老後の備えを始めましょう。

実際の生活費はいくら?

総務省「家計調査報告(家計収支編)2023年」によると、

60歳以上・単身無職世帯の実支出平均:月約15.9万円(住居費込み)

主な内訳:

  • 食費:約38,000円
  • 住居費:約13,000円
  • 光熱・水道:約12,000円
  • 保健医療:約8,000円
  • 交通・通信:約14,000円
  • 教養娯楽:約17,000円
  • その他消費支出:約55,000円

「老後資金2000万円を準備できなかった=老後が破綻する」ということではありません。

大切なのは、自分の暮らしに即した対策を講じることです。


2. 今から始める!私らしい老後準備

ステップ1:できなかった自分を責めない

これまで、子どもを育てることが最優先だった──それでいいのです。

今からできることに目を向け、小さくても一歩を踏み出しましょう。

ステップ2:暮らし全体を見直す

老後資金の準備では、「貯める」だけでなく、「使い方」や「稼ぎ方」を見直すことも大切です。

支出を減らす工夫

  • 家賃、通信費、保険料など固定費の見直し
  • 光熱費・食費の無理のない削減

収入を確保する工夫

  • 週2〜3日の短時間勤務
  • 得意を活かした在宅ワークや副業
  • 高齢者向け求人サイトやシルバー人材センターの活用
  • 公的な職業訓練・資格取得制度の利用

制度を活用する

  • 付加年金制度:毎月+400円で将来+200円/月の増額
  • 年金繰下げ受給:70歳まで繰り下げると最大42%増額
  • 年金生活者支援給付金:低所得者向けに月額支給
  • 高額療養費制度:医療費に上限あり
  • 介護保険制度:要介護認定でサービス利用可能
  • 生活保護制度:最後のセーフティネット

まずはお住まいの自治体の福祉課に相談してみましょう。

ステップ3:お金以外の“備え”も忘れずに

老後の安心は、「お金」だけでは築けません。

  • 地域コミュニティとのつながり(自治会・交流サロンなど)
  • 同じ境遇の人とのネットワーク作り
  • 気軽に相談できる相手(FPや支援団体など)

「子育てが終わって婚活している」という話もよく耳にします。
「誰かと一緒に老後を迎えたい」という気持ちも、前向きな“備え”のひとつです。


3. 80歳まで働くという選択肢

年齢を重ねても、自分らしく社会と関わりながら生きていく──そんな希望を持つ人にとって、「働き続けること」は明るい未来への扉です。

働くことには、収入の確保だけでなく、社会とのつながりや自己肯定感の維持など、多くのメリットがあります。感謝される体験や日々のリズムが、心身の健康維持にもつながります。

実際に、高齢者を積極的に雇用している企業も増えています。

たとえば、コンビニ業界(セブン-イレブン、ローソンなど)では、清掃・商品陳列・接客など年齢に応じた業務で高齢者を採用しています。
イオンなどの大型スーパーでも、レジ補助やカート整理などで高齢者の活躍が見られます。

シルバー人材センターでは、官公庁の書類整理や地域清掃、子どもの見守りなどの仕事があり、最近ではオンラインでできる在宅業務の募集も始まっています。

また、60代の友人は、長年続けた書道の腕前を活かして、地元のお酒のラベルや店舗の看板の筆文字を手がけています。「好きなことが人の役に立つ」と実感できることが、日々の充実感にもつながっているといいます。

さらに、かつてくもん教室を運営していた84歳の女性は、今では趣味の編み物を活かし、自宅で小さな編み物教室を開いています。「誰かに教える時間が生きがいになっている」と語ってくれました。

こうした実例は、「年齢を重ねても、自分らしく働く」ことが、特別な人だけの話ではないと教えてくれます。

健康を守ることが第一歩

  • 年1回の健康診断と早期治療
  • ウォーキングやストレッチなど日常的な運動習慣
  • 栄養バランスの取れた食事と十分な睡眠
  • 趣味や交流を通じたストレス軽減
  • 介護サービスの活用で家庭内負担を軽減

働き方を柔軟に再設計する

  • 体力に応じた仕事への転換(事務・在宅・軽作業など)
  • デジタルスキルの習得(PC・Zoom・SNSなど)
  • 資格取得(介護職員初任者研修・Webライター・オンライン秘書など)
  • 経験を活かした相談・アドバイザー業務
  • 公的支援機関(ハローワーク・シルバー人材センター)の活用

多様な働き方で収入を確保

  • 週2〜3日の勤務や在宅ワークなど、ペースに合った就労
  • 業務委託・フリーランスなど、柔軟な働き方の導入
  • NPOや地域活動など、やりがいのある有償ボランティア

経済的な備えも忘れずに

  • 年金の繰下げ受給(最大42%増)を検討
  • iDeCoやNISAで非課税の資産形成を継続
  • 収入源の複数化でリスク分散
  • 「なぜ働きたいか」を明確にし、モチベーションを保つ

情報収集と相談先の活用

  • ハローワークの高年齢者窓口・就労支援セミナー
  • シルバー人材センター・地域包括支援センター
  • 社会福祉協議会やファイナンシャルプランナー
  • オンラインの同世代コミュニティ

80歳まで働くことは決して無理なことではありません。「今できること」から少しずつ積み重ねていきましょう。


まとめ|老後資金2000万円がなくても、未来は変えられる

これまで、本当にがんばってきたあなたへ──。

老後に向けての備えが足りないと感じても、心配しなくて大丈夫。

大切なのは、「今ここから自分のために何ができるか」を見つけ、少しずつ実行していくことです。

最初の一歩を踏み出すために:

  • 家計の見直しから始めるなら、FPへの無料相談(日本FP協会)もおすすめ
  • 制度活用について知りたいときは、自治体の福祉課や就労支援窓口
    福岡市相談窓口
  • 不安を誰かに話すだけでも、心が軽くなることがあります

あなたのこれからを、心から応援しています。

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miwa
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